【8月22日 AFP】(写真追加)イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)南部に向けて行った空爆で21日、ガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の幹部3人が死亡した。数日前に最高司令官の殺害は免れていたハマスだが、大きな痛手を負った。

 6週間に及ぶイスラエルとハマスの衝突は激化の一途をたどり、停戦協議も中断。同日未明の空爆で、ハマスの軍事部門カッサム隊(イザディン・アルカッサム Ezzedine al-Qassam)の幹部3人が殺害された。同軍事部門は死亡した3人がいずれも「上級司令官」だったとしており、イスラエルには必ず代償を払わせると断言している。

 イスラエルの治安機関シンベト(Shin Bet)によると、このうち2人はハマスの最重要指名手配者5人の中に含まれていたという。モシェ・ヤアロン(Moshe Yaalon)イスラエル国防相は3人の死亡について、「作戦・情報両面で大きな成果」だったとたたえ、ハマスの他の幹部についても追い詰める構えだと警告した。

 イスラエルはこの空爆の36時間前、10年以上前から最重要指名手配者のトップに指定されているカッサム隊のモハメド・デイフ(Mohammed Deif)最高司令官の殺害も試みていた。

 その攻撃でガザ市(Gaza City)にある6階建ての建物が全壊、デイフ最高司令官は無傷だったものの、女性2人と子ども3人が死亡。その中には、同最高司令官の妻と2人の幼い子どもも含まれていた。

 イスラエルがガザへの攻撃を開始して45日目となった21日には、およそ27人がイスラエルの空爆によって死亡した。負傷後に亡くなった人も含めると、イスラエル軍による本格的な攻撃が始まった先月8日以降のパレスチナ側の死者は2083人に上った。国連(UN)によると、うち7割程度が民間人だという。一方イスラエル側の死者は67人で、うち64人が兵士とされている。(c)AFP/Yahya HASSOUNA