【8月21日 AFP】シエラレオネでのエボラウイルス感染拡大は、エボラ出血熱を治癒する特殊な能力を持つと主張していたある一人の「ヒーラー(治療師)」によってもたらされた──同国東部ケネマ(Kenema)地区の医療当局者がAFPに語った。

 ケネマ地区の医療当局責任者、モハメド・バンディ(Mohamed Vandi)氏はAFPの取材に対し、ギニアからエボラウイルスが持ち込まれた原因は、東部国境沿いのソコマ(Sokoma)村のヒーラーだったと述べる。

 バンディ氏は「このヒーラーの女性は、特別な治癒能力を持っていると主張していた。そのため隣国ギニアからエボラウイルスの感染者たちが彼女の治療を受けようとシエラレオネに入ってきた」と話した。また「本人は(エボラに)感染して死亡した。そして彼女の葬儀に集まった近隣の町の女性たちが感染した」とも付け加えている。

 バンディ氏によると、国内での感染はこの女性たちから連鎖反応的に広がったという。そして6月17日、エボラウイルスがケネマに到達し、以降の大流行につながった。

 今年初めにギニア南部での感染が確認されたエボラ出血熱は、まずリベリアへと広がり、5月にはシエラレオネでも確認された。世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、これまでの死者は1350人以上に上っている。シエラレオネにおける感染者数は848人、死者は365人となっている。(c)AFP/Frankie TAGGART