【8月22日 Relaxnews】米グーグル(Google)の「ストリートビュー(Street View)」は、ある場所を視覚的に把握するのに便利な機能だ。それでは、聴覚の場合はどうだろうか?この課題に取り組んだ英国の補聴器メーカーは、自宅の椅子から離れずに旅したい人々を目的地へと運ぶストリートビューに、音声という新たな要素を付け加えるシステムを試作した。

「サウンズ・オブ・ストリートビュー(Sounds of Street View)」と名付けられたシステムは、「3次元の聴覚体験」を利用者に提供する。ウェブブラウザ上で音声を処理するためのWeb Audio APIをストリートビューと組み合わせることで、例えば仏アビニョン(Avignon)の法王庁広場(Place du Palais)で聞こえる教会の鐘の音や、幸せそうな鳥たちのさえずり、広場で奏でられるアコーディオンの音を「旅行者」が疑似体験できるようになる。

 つまり、視覚的に雲一つない空から降り注ぐ日光を浴びたり、小石が敷き詰められた路地を歩いたりできるストリートビュー上で、近くのオープンカフェで鳴り響く皿を重ねる音や、人々が交わす会話の喧噪(けんそう)などを耳にすることができるわけだ。

 開発に携わった補聴器メーカーのアンプリフォン(Amplifon)社は「聴覚は人間にとって最も重要な感覚の一つであり、世界をどのように捉えるか、さらには基本的な方向感覚や、身の危険に気づくというような局面で重要な働きを担うものだ」と話している。

 ストリートビューに加えられる音声はステレオ仕様となっており、画面上の左側で発生した音は実際に左から聞こえ、右側の場合は右から聞こえるという。

 サウンズ・オブ・ストリートビューはこのサイトで体験できる: http://bit.ly/XI0a24

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