【8月20日 AFP】英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は19日、イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」がシリア国内に5万人以上の戦闘員を抱え、7月だけで新たに6000人の勧誘に成功したと報告した。

 同監視団ではシリアの現地の活動家や医師、弁護士らの報告を根拠に7月のISの新規加入者数はこれまでで最大だったとしている。監視団のラミ・アブドル・ラーマン(Rami Abdel Rahman)代表は「シリア国内のIS戦闘員の数は5万人を超え、うち2万人はシリア人ではない戦闘員だ。7月に新たに加わった戦闘員は6000人を超え、2013年にシリアにISが出現して以来最多だった」と述べている。

 ラーマン氏によれば、7月に加わった新たな戦闘員のうち1000人以上はシリア国外の出身者で、露チェチェン共和国や欧州、中東諸国出身者の他、中国のイスラム教徒もいる。大半はトルコ経由でシリア入りしている。

 また国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系でシリアで活動する「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」からの200人など、対抗する他の武装勢力から離反して合流した者たちも含まれているという。

 ISはアルカイダのイラク支部から拡大したが、その後、アルカイダとはたもとを分かっている。発足当初はシリアの反体制派武装勢力の一部と共闘していたが、今年1月以降、対抗関係にある反体制派や民間人への暴力が激しい非難を巻き起こしている。(c)AFP