【8月19日 AFP】昨年の総選挙で不正があったとして、ナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)首相の退陣と選挙のやり直しを求めているパキスタンの野党、パキスタン正義運動(Pakistan Tehreek-e-InsafPTI)は18日、国と地方の同党議員を一斉に辞職させると発表した。かつてクリケットのスター選手だったイムラン・カーン(Imran Khan)氏が党首を務めるPTIは、昨年の総選挙で3位に終わっていた。

 政府側が、カーン氏および、カーン氏と同じく新たな選挙を要求して抗議活動を展開しているイスラム学者のタヒル・カドリ(Tahir-ul Qadri)氏との協議を模索していたさなかの18日夕、PTIのシャー・メへムード・クレシ(Shah Mehmood Qureshi)副議長は議員の大量辞職を電撃発表。クレシ氏は報道陣に対し、「国民議会(下院)、パンジャブ(Punjab)州議会、バルチスタン(Baluchistan)州議会、シンド(Sindh)州議会の全PTI議員が辞職する」と発表した。

 しかしクレシ氏は、同党が多数を占めるカイバル・パシュトゥンクワ(Khyber Pakhtunkhwa)州議会については未定だと述べた。パキスタンで議員辞職するには国民議会議長に届け出た上で選挙委員会に申し送られることになっている。クレシ氏は一斉議員辞職の具体的な時期は明らかにしなかった。

 カーン氏とカドリ氏は、シャリフ首相を退陣に追い込むため大規模な抗議活動を起こそうと、同国東部のラホール(Lahore)から支持者数千人を率いて「長いデモ行進」を行い、16日に首都イスラマバード(Islamabad)に到着した。

 しかしカーン氏は、公言していたほど多くのデモ参加者を集めることはできなかった。野党各党は18日、カーン氏が呼び掛けた市民的不服従運動に応じない考えを示した。

 徐々に孤立の度を深めているカーン氏は18日夜、党員らを前に演説し、主要政府機関や外国の大使館が集中し厳重な警備体制が敷かれているイスラマバードの「レッドゾーン」と呼ばれる地区で翌19日にデモ行進を行う意向を明らかにした。(c)AFP/Nasir JAFFRY