【8月15日 AFP】太陽系外に由来するとみられる宇宙塵(じん)粒子を7個特定したとの研究論文が、14日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。宇宙が何でできているかに関する新たな手掛かりをもたらす可能性がある。

 米カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)宇宙科学研究所(Space Sciences Laboratory)の物理学者、アンドリュー・ウェストファル(Andrew Westphal)氏率いる国際研究チームが発表した論文によると、この7個の宇宙塵の中には、専門家らが予想していたような濃密な構造ではなく、まるで雪片のようにふわふわした構造をしているものもあるという。

 同論文には、天文学者らがこれまで遠くから観測することしかできなかった宇宙塵を初めて間近で詳細に調査した結果が記載されている。これらの宇宙塵は、彗星の塵(ちり)のサンプルと微量の星間物質を採取し地球に持ち帰る目的で1999年に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の彗星探査機スターダスト(Stardust)に搭載されていた塵粒子収集器から慎重に分離されたものだ。

 NASAのウェブサイトによると、スターダスト探査機は「木星へ向かう半ばまで飛行し、ビルト第2彗星(Wild 2)の粒子サンプルを収集した。スターダストはその後、地球の近くまで戻り、彗星科学者らが待ち焦がれていたサンプルリターン・カプセルを投下した」という。さらにスターダストは、星間空間から太陽系内に流入している微細な塵物質の流れからもサンプルを採取した。

 スターダストは2006年に地球にサンプルを持ち帰った後もミッションを続行したが、国際科学者チームは8年をかけて、収集器のエアロゲルとアルミホイルでできた表面を調べ、太陽系外に由来する粒子を特定した。

 スターダストが持ち帰った塵物質の大半は、実際にはそれほど興味を引くものではなかった。英自然史博物館(Natural History Museum)の微量分析学者、アントン・カーズリー(Anton Kearsley)氏によると「シンクロトロン粒子加速器を6台も使い、さらに多数のX線マイクロアナライザーを用いて分析を行った結果、捕捉した粒子の多くは探査機の微小な破片であることが判明した」という。

 だが同氏は「塵粒子(の一部)は、予想していたものとは異なり、多くは特異な方向から飛来したようだった」と話す。「衝突方向を詳細に描画して調べた結果、研究チームは太陽系の外部から来たに違いない粒子を7個特定することができた」。研究チームは、直径が1000分の1ミリにも満たないこれら粒子を破損させないため、分析には特別の注意を払ったという。