■「これは映画じゃない」

 終戦69年の節目となった15日、日本の政治家らは毎年恒例の靖国神社参拝を行った。靖国神社には約200万人の戦没者が祭られている。その中には神風パイロットたちも含まれているが、戦争犯罪者として有罪になった大日本帝国の最高幹部たちも祭られていることが中国と韓国の怒りを買っている。

 安倍首相は昨年12月に靖国神社を参拝し、周辺国から非難され、米政府からも警告を受けた。支持者にとって安倍首相の靖国参拝は愛国心を意味するが、批判者は安倍首相が修正主義的な歴史観をもてあそんでいるさらなる証拠だと言う。

 日本が戦争を行った過去を美化しようとする行為は見当外れだと、元特攻隊のアサノ・アキノリさん(85)は語る。終戦記念日は自宅で一人で過ごし、帰還しなかった人々を追悼する予定だ。

 アサノさんは、「桜花」と名付けられた悪名高い航空特攻兵器の部隊に所属していた。全長6メートルの桜花は航空機というよりは空飛ぶ爆弾だった。敵艦に到達するのに十分な、短い時間だけもつロケットエンジンを搭載した機体だった。

「『特攻に志願してなぜ死ななければならなかったのか』という質問はナンセンス。われわれには『できません』という選択肢はなかった。これは映画じゃない。今の若い人には理解できないと思う。今はただ平和を祈るだけ」とアサノさんは語った。(c)AFP/Shingo ITO