【8月14日 AFP】ブラジルで発掘された骨の化石が、6600万年から1億年ほど前に大空を高く舞っていた翼竜の新種であることを確認したとの研究論文が、13日の米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に発表された。

 化石は、同国南部パラナ(Parana)州のクルゼイロ・ド・オエステ(Cruzeiro do Oeste)郊外にある古い湖沼堆積物の中から見つかった。少なくとも47個体分あったという。

 ブラジル・コンテスタード大学(Universidade do Contestado)のパウロ・マンジグ(Paulo Manzig)氏率いる研究チームが発表した論文によると、翼竜は「カイウアヤラ・ドブルスキイ(Caiuajara dobruskii)」と名付けられた。翼竜の化石が同国南部で発見されたのは初めてだという。

 同国ではこれまで、翼竜の化石はすべて北東部で発見されていた。翼竜の化石はこの他にも世界各地で見つかっており、これまで主に古代の沿岸地域で発見されている。

 論文によると、今回発見された翼竜の大半は若いうちに死んだと考えられており、このことは、この種が群れで生息・飛行していたことを示唆しているという。

 見つかった個体の翼を広げたときの大きさは、0.65メートルから2.35メートルだった。20平方メートル足らず発掘地からは、白亜紀後期のものと見られる骨が数百個見つかっている。

 マンジグ氏は「彼らが死に至った原因はまだ分かっていないが、干ばつに関連した恐竜の大量死との類似性が顕著だ」と指摘。「だが、砂漠の嵐がこれらの翼竜の偶発的な死に関与した可能性も考えられる」と続けた。(c)AFP