【8月12日 AFP】米中西部ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)郡ファーガソン(Ferguson)で9日の白昼、武器を持たない黒人少年を警察官が射殺する事件があり、現地では警察への抗議行動が略奪に発展するなど、人種対立の緊張が高まっている。米連邦捜査局(FBI)は11日、公民権法違反の可能性もあるとみて捜査を開始した。

 射殺されたのはマイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(18)。事件の2日後に大学に入学することが決まっていたという。ブラウンさんが射殺された状況をめぐる目撃者と警察側の主張は食い違っており、両親は「息子のために正義を求める」と語っている。

 ブラウンさんの知人のドリアン・ジョンソン(Dorian Johnson)さんは地元テレビ「KMOVニュース4(KMOV News 4)」に、ブラウンさんと市内を歩いていたら警察官に遭遇したと証言。この警官は拳銃を抜き、振り向いて両手を上げたブラウンさんに向け発砲。倒れこんだブラウンさんに近づき、さらに数発発砲したという。

 これに対し、セントルイス郡警察のジョン・ベルマー(Jon Belmar)署長は10日の記者会見で、ブラウンさんが警察官に暴行を加え拳銃を奪おうとしたため警官が発砲したと語った。

 地元ニュースサイト、セントルイス・ポスト・ディスパッチ(St. Louis Post-Dispatch)は、多くが白人で構成されるファーガソン警察と、人口が拡大するアフリカ系住民との間の緊張関係が、事件によって表面化したと指摘している。(c)AFP/Robert MACPHERSON