【8月11日 AFP】中国外務省は11日、米政府が提案した南シナ海(South China Sea)での領有権をめぐる挑発行為の「凍結」を拒否したうえで、米国が意図的に同海域の緊張をあおっているとして非難した。

 中国は南シナ海の大半の領有権を主張しており、フィリピンやベトナムを含む複数の国と対立するだけでなく、ここ数か月には実際に衝突も起きている。

 ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は10日、さらなる地域の関係悪化を招く恐れのある行為をやめさせるための多国間協定に向けて協議することを参加国に提案するために、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムに出席した。しかし中国の王毅(Wang Yi)外相は、「地域外の国が落ち着き無く、緊張をあおっている…。彼らの意図は地域に混乱をもたらすことかもしれない」と発言した。

 さらに王外相は「地域の外の国も、ある程度の懸念を表明することはできるだろう。だがわれわれは『傲慢な態度』には反対する。中国とASEAN加盟国には、南シナ海の平和と安定を守る十分な能力がある」と述べた。

 このやりとりは11日に中国外務省のウェブサイトに掲載された。中国国営新華社(Xinhua)通信は「中国政府、米国の『凍結』案を拒絶」という見出しの記事を掲載し、このコメントは米国に向けられたものだと指摘した。(c)AFP