【8月10日 AFP】最後に雨粒が落ちてきたのは3か月前。ニカラグア北東部で牧畜業を営むカルロス・ローマン(Carlos Roman)さんが水を飲ませるため家畜の牛を歩かせる距離は、日に日に長くなっている。

 ニカラグアをはじめとする中米では深刻な干ばつが続いており、数千頭の牛が死に、農作物は枯れ、電力供給も制限されている。

 コスタリカやホンジュラス、グアテマラなどの周辺国は、支援物資の配給を急ぐため被害が大きい地域に非常事態を宣言。エルサルバドルとニカラグアは、農家を支援するための特別基金を創設した。各国政府は収穫量の減少を受け、トウモロコシを米国とメキシコから、豆類をエチオピアから輸入した。

 雨不足は、ペルー沖から中部太平洋赤道域にかけての広い海域で海面水温が平年以上に高くなるエルニーニョ(El Nino)現象が原因とみられている。

 ローマンさんは、「水がなければ、生きていけない」と語った。(c)AFP/Blanca MOREL