【8月10日 AFP】インドの首都ニューデリー(New Delhi)では、食べ物を求めて庭やオフィスを荒らす野生のサルを鳴きまねで追い払う「モンキー・マン」たちが活躍している。鳴きまねを始めると直ちにサルの群れが庭を荒らすのをやめるほど効果てきめんだ。

 マヘンドラ・ゴスワミ(Mahendra Goswami)さん(26)は、サルの鋭く甲高い叫び声や鳴き声をまねた声を駆使し、緑が豊かな市内中心部の政府庁舎や高級住宅街にサルが寄り付かないようにしている。

 同国政府はサル対策として、地元で「モンキーワラ(monkey wallah、『サルの人』といった意味)」と呼ばれる人々を、これまでに40人採用した。モンキーワラは、騒ぎを起こしている小型のアカゲザルの天敵で、攻撃的な性質を持つラングール(オナガザル科の一部の猿の総称、別名ヤセザル)のまねができるように訓練されている。

 ゴスワミさんはAFPに対し、「まず大きな声で『アー、アー、アー』と叫んで、ラングールが接近していると警告する」と語った。次に、サルがおびえて逃げる時に出す『アッ、アッ、アッ』という甲高い鳴き声をまねるという。「最後に攻撃の際の『ウア、ウア』という叫び声を先の2種類の鳴きまねと交ぜて出す。そうするとサルの群れは不安そうに逃げ場を求めて去っていくんだ」

 ゴスワミさんらは、特にデリー(Delhi)首都圏の高級住宅街で引く手あまただ。サルを追い払うため、棒やゴムバンドで小石を飛ばす道具を使うこともある。

 先日地元住民はサル対策として、録音した鳴き声を再生する装置を仕込んだプラスチック製のラングールの模型を設置したが、ゴスワミさんによると「サルたちは3日で作り物だと気付いた。その後サルたちはオオカミの群れのように模型に襲いかかり、残骸を持ち去ってしまった」という。(c)AFP