【8月8日 AFP】イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は72時間の停戦期限が切れた8日、戦闘を再開した。ガザ側から発射されたロケット弾数十発への報復としてイスラエル軍は空爆を再開、ガザ市(Gaza City)北部ではパレスチナ人の10歳の少年が死亡した。

 ハマスによるロケット弾発射に対する報復として、イスラエル軍がガザ空爆を開始してからまる1か月が経った。同日ハマスが発射を再開したロケット弾によりイスラエル側では2人が負傷。イスラエル側は、エジプトの首都カイロ(Cairo)で行った停戦延長に関する協議は終わったと述べている。

 匿名で取材に応じたあるイスラエル政府高官は「戦火の下ではイスラエルは交渉しない」と語った。この高官によると、ハマス側がロケット弾発射を再開する前、イスラエル側は仲介役のエジプトに停戦期間をさらに72時間延長する意思があると伝えていたという。

 停戦協議は終結し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は「ハマスの停戦違反に対し徹底的に」報復するよう軍に命じた。

 これまでの4週間の戦闘でパレスチナ側は少なくとも1894人が死亡している。イスラエル側の死者67人は大半が兵士だという。国連(UN)は、7月8日以降のパレスチナ側の死者のうち少なくとも1354人は民間人で、そのうち447人は子どもだと発表している。

 ガザでは停戦期間中に自宅に戻っていた家族が、停戦期限切れ前にパレスチナ側の武装勢力がイスラエル側にロケット弾2発を発射したことから、急いで避難先である国連が運営する学校へ戻る姿がみられた。(c)AFP/Adel ZAANOUN