【8月7日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は6日、ウクライナ情勢をめぐり対ロシア制裁を科している国を対象に、今後1年間にわたり農産品と食料品の輸入を禁止・制限する大統領令に署名した。

 この決定により、ロシアの国際社会での孤立を深め、米国の一部メディアが「新たな冷戦」と呼ぶ事態へと突入しつつある深刻な外交的対立が、さらに激化していることが示された。

 同時にこの決定は、ロシアの食料品価格を急増させ、景気停滞に対する国民の不満を強める恐れがある。アナリストたちは景気停滞の原因が、ウクライナ東部で同国政府軍との戦闘を続ける親ロシア派武装勢力への、プーチン大統領の支援にあると示唆している。

 同大統領は先に、欧米各国による手痛い対ロシア新制裁措置への報復措置の影響から消費者を守ると約束していた。

 露政府は声明で、今回の大統領令の内容について、「ロシアの法人や個人に対する経済制裁を決定した諸国からの特定の種類の農業関係の製品、原料、食料品の輸入を禁止あるいは制限する」ものだと説明している。

 ナタリア・チマコワ(Natalia Timakova)政府報道官は、閣僚らが輸入制限の対象品目リストを現在作成中だと述べた。

 統計によると、ロシアは過去10年間、国内で消費される食料の3分の1を輸入に頼っている。(c)AFP/Dmitry ZAKS