【8月6日 AFP】フィリピン・マニラ(Manila)北西にあるオロンガポ(Olongapo)市が、ネズミの尿を媒介とする致死率の高い感染症の流行を防ごうと、ネズミの死骸に報奨金を支払う対策を始めた。

 オロンガポ市の保健当局者ジェイム・アルカノ(Jaime Alcano)氏が6日、明らかにしたところによると、同市ではレプトスピラ症対策として、ネズミを捕獲し殺処分した場合、成体1匹に付き10ペソ(約20円)、子どものネズミなら1匹に付き5ペソ(約10円)が支払われる。発案者はロレン・パウリノ(Rolen Paulino)市長で、アルカノ氏によれば前例のない対策だ。

 レプトスピラ症は感染性の細菌性疾患。病原体は動物の尿に存在し、毎年フィリピンを襲う洪水の際に感染する人が多い。人口20万人のオロンガポ市でも昨年9月の洪水で、レプトスピラ症感染が流行している。

 報奨金対策の期間は1か月間を予定しているが、前週にキャンペーンが始まってから持ち込まれたネズミの死骸はまだ44体だけだという。それでもアルカノ氏は、実際に殺処分できたネズミの数よりも、このキャンペーンで感染症への注目が集まることの方が重要だと語った。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、レプトスピラ感染者の死亡率は5~30%。(c)AFP