【8月5日 AFP】政府は5日の閣議で2014年版防衛白書を了承した。505ページから成る白書は、日本を取り巻く安全保障環境全般について「いっそう厳しさを増している」と懸念を示した。

 白書は、中国が昨年、東シナ海(East China Sea)に独自に設定した防空識別圏(ADIZ)は「事態をエスカレートさせ、不測の事態を招きかねない非常に危険なもの」だと批判した。中国の国防費が過去10年間で4倍に増加している点も指摘した。

 海底に豊富な埋蔵資源があるとされている尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)では、特に2012年に日本政府が一部を国有化して以降、断続的に中国船や中国機が接近している。6月にも日本政府は、東シナ海の公海上空で中国の戦闘機が自衛隊機に約30メートルという距離まで異常接近したと非難したが、中国政府は至近距離を飛行したのは日本側だと反論した。

 中国は南シナ海(South China Sea)でも広域の領有権を主張し、ベトナム、フィリピンなど東南アジア諸国と対立しているが、これについて今回の防衛白書は、海洋での利害をめぐり中国が「力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的ともいえる対応を示している」と懸念している。

 一方、白書によると02年以降縮小していた日本の防衛関係費は再び増加に転じ、今年度予算では前年比2.2%増になっている。6月に集団的自衛権の行使容認を閣議決定した安倍内閣は、防衛関係費の歳出増を約束している。また安倍政権は武器輸出を原則禁じる「武器輸出三原則」を撤廃した他、14~19年の5年間の防衛費を24兆6700億円とすることに合意している。(c)AFP