【8月4日 AFP】4日の中国国営メディアによると、中国当局は少数派のイスラム教徒が大半を占める西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で「テロリスト」の逮捕などにつながる情報を提供した住民らに計3億元(約50億円)を超える懸賞金を支払う方針だという。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、すでに前週1日に同自治区ホータン(Hotan)市で「テロリスト容疑者」10人が殺害・逮捕された際に、支援した個人や行政機関に423万元(約7000万円)が支払われている。トウモロコシ畑に潜んでいた容疑者たちを発見したのは地元住民だった。その後、3万人を超える「ボランティア」の支援を伴い警察は容疑者たちを廃屋に追い詰め、「群衆に爆発物を投げつけ抵抗する」一団のうち9人を射殺、1人を逮捕した。

 ホータン市では3日、1万人以上が参加して懸賞金の授賞式が行われ、重要情報をもたらした6人に各10万元(約170万円)が渡された。新華社は「(中国共産党の)党員や幹部、異なる民族の住民が式に招集され、暴力的なテロ犯罪に対し鉄の砦を築こうと奮起した」と報じた。現金支給の懸賞金の資金源はウイグル自治区当局だという。

 政情不安が続く新疆ウイグル自治区では最近もカシュガル(Kashgar)地区ヤルカンド(Yarkand)県で民間人37人と「テロリスト」59人が死亡する襲撃が発生した。また数日後の先月30日には、同じくカシュガル市にある中国最大のモスク(イスラム礼拝所)エイティガール寺院(Id Kah)で中国政府に任命された指導者が殺害される事件があった。一連の襲撃事件について中国政府は、ウイグル自治区の分離独立派の犯行だと非難しているが、同地区での情報を独立して確認することは難しい。(c)AFP