【8月3日 AFP】ネパール北東部で2日未明、大規模な地滑りが発生し、8人が死亡、数十人が行方不明になっている。崩れた土砂やがれきが現地を流れる川をふさいでおり、鉄砲水の発生を防ぐため、当局の職員らが撤去作業にあたっている。

 広報担当の首相顧問、プラカシュ・アディカリ(Prakash Adhikari)氏はAFPに対し、土砂崩れで住宅20棟ほどが押し流されたほか、首都カトマンズ(Kathmandu)の北東を流れるスンコシ川(Sunkoshi River)が一部でせき止められていると説明した。

 警察と軍はこれまでに8人の遺体を収容。被災者34人を空路で避難させた。運ばれた人のうち、19人が重傷を負っているという。

 災害管理当局は、現在も数十人が行方不明になっているものの、暗闇の中での捜索は不可能だとして、救出活動は夜明けと共に再開する方針を示した。

 地滑りが発生した現場周辺では、押し流された土砂により少なくとも3キロにわたって幅約300メートルほどの湖ができており、水深は110メートルほどに達しているとみられる。せき止められた水を流す作業は始まっているが、この影響で周囲にある発電所2か所と、水力発電プラント1か所が浸水などの被害を受けている。

 災害管理当局の関係者はAFPに対し、「小規模な爆発を起こして土砂を崩し、たまった水を少しずつ放出している」と述べ、「川の上流の危険度は最小限に抑えることができたが、(せき止められた部分より)下流の周辺地域はまだ危険な状態だ」と話した。(c)AFP/Paavan MATHEMA