【8月3日 AFP】イスラエルは2日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が停戦協定を破った上、イスラエル兵を拉致したとして、ガザ地区への攻撃を続けた。

 前日に72時間の停戦がわずか2時間で崩壊し、イスラエルによるガザ攻撃が26日目となった2日、パレスチナ自治政府の代表団は永続的な停戦交渉のためにエジプトのカイロ(Cairo)に到着した。代表団にはハマス幹部とパレスチナ自治政府の情報部門トップも含まれ、3日にエジプト側と交渉する。一方、イスラエルはこの交渉に参加しないと表明した。

 ハマスが1日朝にガザ地区南部のラファ(Rafah)で行った待ち伏せ攻撃で23歳のイスラエル兵を拉致したとイスラエルが主張して以降、双方が停戦に応じる可能性は低くなっていた。

 イスラエルはすぐに、すでに砲撃を受けていたラファに対する激しい空爆も開始。医療当局者によれば、24時間で114人が犠牲になった。ガザ救急当局の広報、アシュラフ・クドラ(Ashraf al-Qudra)氏は、ガザでのパレスチナ人の死者は1700人を超え、負傷者は9000人以上になったと語った。

 ハマスがイスラエル軍のハダル・ゴルディン(Hadar Goldin)少尉を拉致したとされる事件は、72時間の停戦を仲介した国連(UN)や米政府からも激しい非難を浴びている。

 イスラエルは、ゴルディン少尉が自爆待ち伏せ攻撃に遭って拉致されたとしてハマスを非難。この攻撃では他に2人のイスラエル兵も殺害されたとしている。

 これについてハマスの軍事部門カッサム隊(イザディン・アルカッサム Ezzedine al-Qassam)は待ち伏せ攻撃を1日に行ったことを認め、この攻撃で自分たちの側にも行方不明者が出ており恐らく死亡したとみられると述べた一方、ゴルディン少尉の拘束は否定し、同少尉はおそらくイスラエルの空爆で死亡したとみられると述べた。(c)AFP/Adel ZAANOUN