【8月2日 AFP】フランス人は古くから、一杯のワインがもたらす健康効果に揺るぎない確信を持ってきたことで知られる。そのフランスで現在、末期患者の生活の質の向上を目的とした「バー」を病院内に開設する計画が進行中だ。

 仏中部にあるクレルモンフェラン大学病院(Clermont-Ferrand University Hospital)は今年9月、苦痛緩和ケアセンター内でバーの運営を開始する予定。患者は友人や家族を招いて、一緒にワインやシャンパン、ビール、ウイスキーなどを楽しむことができるようになる。

 同センターのビルジニー・グアステラ(Virginie Guastella)所長はAFPに対し、国内初となるこの施設は、「困難な日々を過ごす患者たちを元気づけるものになる」だろうと語り、「生活の質を向上させ、与え、受け取ることの喜びを感じてもらうことによって、患者たちに人間らしさを取り戻してもらうことが目的」だと説明した。

 所長はまた、近親者との死別に直面する家族にとっても、「明るく過ごせる時を持つ」ことが可能になるとして、「ささいなことだが、大きな違いを生み出せるだろう」と語った。

 病院の職員らは開設に向け、バーに来る患者への対応の仕方について、社会人類学者から特別な訓練を受ける。(c)AFP