【8月1日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で先週、イスラエル軍の戦車の砲撃を受けた自宅の下敷きとなり、搬送された病院で亡くなった女性から帝王切開で取り出された未熟児の赤ちゃんが、合併症と治療を受けていた集中治療室の停電のため死亡した。

 ガザ中部のデイルアルバラ(Deir al-Balah)にある病院で今月25日、妊娠8か月だったシャイマ・シーク・カナン(Shayma al-Sheikh Qanan)さん(23)の死後、医師らによって帝王切開で取り出され、母親と同じ名前を付けられた女児は、生後6日にして短い生涯を終えた。

 女児はカナンさんが死亡してから医師に取り出されるまでの間に酸素不足に陥り、ガザ南部ハンユニス(Khan Yunis)にあるナセル病院(Nasser Hospital)へ移され、新生児集中治療室で人工呼吸器による治療を受けていた。

 同病院産科病棟医長のアブデル・カレム・バワブ(Abdel Karem al-Bawab)医師は7月31日、AFPの取材に対し、乳児は「母親の心臓が停止した後、子宮内で酸素欠乏状態に陥った」と語り、7月30日に脳死状態になったと明らかにした。またバワブ医師は「ガザ地区で起きている停電も一因となり、酸素チューブが適切に作動しなかったため、われわれは女児に何度か手動で蘇生措置を試みざるを得なかった」と述べた。

 今週初めに医師団はAFPに対し、女児の生命徴候は安定しているものの「最低3週間は」人工呼吸器が必要だと話していた。(c)AFP