【8月1日 AFP】マレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便が墜落したウクライナ東部の現場に7月31日、国際的な調査を行う専門家らが初めて到着した。ウクライナ軍が攻撃中止を宣言してから約1週間、ようやく調査の第一歩にこぎ着けた。

 オランダとオーストラリアの少人数の専門家からなる調査チームはこれまで、ウクライナ政府軍と親ロシア派の武装集団が激しい戦闘を繰り広げていたため、広範囲に及ぶ墜落現場に近づくことができなかった。同チームはこの日初めて、国際監視団とともに現場に足を踏み入れた。

 オランダ司法省によると、同チームの任務は「予備調査」のみとなっているが、今後より多くの専門家が現地入りする道筋をつけてくれるものと期待しているという。

 同機の墜落現場には、2週間前に犠牲になった298人の遺体の一部が残されており、太陽にさらされて腐敗が進んでいる。国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長が墜落現場周辺での戦闘を中止するよう要請したことを受け、ウクライナ政府軍は先に同国東部全体で「静穏な1日」を設けると宣言していた。

 ウクライナ政府側は、現場を掌握している親ロシア派が調査を阻止していると繰り返し主張するとともに、同地域内に展開する政府軍部隊に親ロシア派が砲撃を続けていると非難していた。これに対し親ロシア派は、政府側が停戦を守っていないと非難していた。

 一方、マレーシアのナジブ・ラザク(Najib Razak)首相は訪問先のオランダで、ウクライナ政府と分離独立派の双方に対し「墜落現場とその周辺での戦闘の即時中止」を呼び掛けていた。

 ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は、オーストラリアとオランダ両首相との電話会談で、7月31日の現場調査は無事に行われたと伝え、さらに翌8月1日からは専門家らが連日調査作業に取り組めるはずだと保証した。同時に親ロシア派に対しては、現場から20キロの範囲での停戦を守るよう要求した。(c)AFP/Anna MALPAS with Max DELANY in Kiev