【7月31日 AFP】野党・共和党が多数を占める米下院は30日、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が権限を乱用しているとして、裁判所に提訴することを認める決議案を賛成225、反対201で可決した。同大統領が所属する民主党からは、11月の中間選挙を見据えた身勝手な行為だとの非難の声が上がっている。

 この異例の決議案は、オバマ大統領の看板政策である医療保険改革法「医療費負担適正化法(Affordable Care Act)」(通称オバマケア、Obamacare)の施行に当たり、同大統領が法律に厳密に従わなかったとして提出されていた。

 決議案の可決によりジョン・ベイナー(John Boehner)下院議長(共和党)は、実際に大統領を提訴するための法的手続きを開始することが可能となった。ベイナー議長は議場で今回の決議案について、権力にのぼせ上がった大統領を抑制するためのものであると述べている。

 一方オバマ大統領はミズーリ(Missouri)州カンザスシティー(Kansas City)で支持者らを前に演説し、「議会には、自分の仕事をしている私を訴えるのではなく、自分たちの職務を果たして米国民の生活が少しでもよくなるよう努めてほしい」と述べ、提訴に向けた下院の動きを一蹴した。(c)AFP