【7月31日 AFP】西アフリカで流行しているエボラ出血熱について、欧州やアジアの当局が警戒感を示すなど、他の大陸への拡大の懸念が高まっている。

 ギニア、リベリア、シエラレオネで史上最多となる計672人の死者を出しているエボラ出血熱について、国際医療支援団体「国境なき医師団(Doctors Without BordersMSF)」は、状況はますます悪化しており、対処する包括的戦略はないと述べている。

 香港(Hong Kong)では、アフリカから到着した女性が発熱や嘔吐(おうと)といったエボラ出血熱に似た症状を示したが、検査結果は陰性だった。だが、香港の保健当局は、ギニア、シエラレオネ、リベリアからの渡航者で発熱などの症状を示す患者には、予防手段として隔離措置を取ると発表した。

 国際民間航空機関(International Civil Aviation OrganizationICAO)は、感染拡大を食い止めるための措置について、世界の保健当局者と協議した。

 英国では、感染の疑いがあった1人の検査が行われ、陰性の結果が出たものの、フィリップ・ハモンド(Philip Hammond)外相が率いる緊急事態対処会議(COBRA)が状況の評価にあたっている。

 ベルギー・ブリュッセル(Brussels)の欧州連合(EU)筋は、加盟28か国内に感染者が到着したとしても、EUは感染の封じ込めと追跡に必要な手段を講じることができる態勢にあると述べた。

 カナダでは、地元のメディアの報道によると、西アフリカで、後に感染が確認された米国人医師と共に数週間にわたりエボラ熱患者の治療にあたったカナダ人医師が、予防措置として隔離室に入った。(c)AFP/Robin MILLARD