【7月29日 AFP】米出会い系サイト「OKキューピッド(OkCupid)」は28日、カップルを成立させるための公式を改良するために、ネット上で利用者の気持ちを「もてあそび」心理実験を行っていたことを明らかにした。

 米SNS大手フェイスブック(Facebook)が投稿を操作し、利用者の感情に与える影響を調査していた事実が判明し批判が広がる中、OKキューピッドの共同創業者クリスチャン・ラダー(Christian Rudder)氏は「人間に関するわが社の実験」と題した文章をブログ上に投稿し、今回の調査の正当性を主張した。

 その中でラダー氏は「フェイスブックが『ニュースフィード』を操作して行っていた『実験』を皆さんが気に入らないということをわれわれは最近知った。しかし、考えてもみてほしい。インターネットを使っていれば皆、いつでも、どのサイトでも、何百という実験の対象なのだ。それがウェブサイトというもの仕組みだ」と述べている。

 ラダー氏の説明によるとOKキューピッドでは、写真に比べて文字情報がどの程度重要な役割を果たしているのかを調べるために利用者のプロフィール情報を隠したり、カップルが成立する上でアドバイスがどの程度影響を与えるのかを調べるために、相性の悪い利用者同士に「理想の組み合わせだ」といった助言をしたりした。

 その結果、プロフィールに添えられた言葉は写真よりも軽視され、また、利用者に互いの相性は素晴らしいとアドバイスすることでカップルが成立する傾向が高まることが分かった。

 また、利用者は相性が良いと言われた場合だけでなく、悪いと言われた場合も相性が良いように振る舞う傾向があったという。一見すると正反対にみえるこの結果は、OKキューピッドのシステムの演算法に問題があるようにみえるが、同サイトに掲載された統計によると、完璧な組み合わせのようにみえるカップルに相性が最悪だと伝えた場合でも、アドバイスに反発して互いに魅了されることが分かった。

 ラダー氏は「OKキューピッドは実のところ、自分たちがやっていることを理解していない。他のウェブサイトも同様で、たいていのアイデアは褒められたものではないし、良いアイデアもさらに改善の余地がある。実験はそれを見分けるためのものだ」と述べている。

 OKキューピッドのブログに設置されている掲示板には、ある利用者が「フェイスブックは利用者のページを秘密で操作し、感情を変えさせようと企んだ。一方、OKキューピッドは純粋な好奇心と、サイトを改善したいという熱意から行ったもので、二つの場合は全く違う」と書き込んでいる。(c)AFP/Glenn CHAPMAN