【7月29日 AFP】米南部バージニア(Virginia)州リッチモンド(Richmond)の第4巡回区控訴裁判所は28日、同州の同性婚禁止法について、結婚の権利を侵害しており合衆国憲法が定める平等な保護に違反するとの判断を下した。米国の同性愛者の権利擁護活動家らにとっての勝利となる画期的な判決だ。

 同裁判所は「結婚するか否か、そして誰と結婚するかという選択は、個人の人生を変える非常に個人的な決定だ」と指摘した上で、「同性カップルにこの選択を拒否することは、こうした人々の社会への完全な参加を阻む行為であり、まさに(合衆国憲法)修正第14条が認めていない類いの差別だ」との判断を下した。

 バージニア州では2006年の住民投票で結婚を男女間のみに限定する州憲法改正案が承認され、同性婚が事実上禁止されていた。

 第4巡回区控訴裁判所の管区には、バージニア州と同じく同性婚を禁止しているノースカロライナ(North Carolina)、サウスカロライナ(South Carolina)、ウェストバージニア(West Virginia)の3州も含まれるため、今回の判決はこれら州にも影響を与える可能性がある。ただ、人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(Human Rights CampaignHRC)」によると、バージニア州の訴訟は連邦最高裁に上訴される可能性もあるという。

 米国では現在、19の州とコロンビア特別区(District of Columbia)で同性婚が合法化されているが、南部を中心とした他の約30州では禁止されている。(c)AFP/Robert MACPHERSON