【7月29日 AFP】リビアの首都トリポリ(Tripoli)郊外にある燃料貯蔵施設で発生した大規模な火災が28日、制御不能となり、大災害に発展するのではないかと懸念されている。

 この火事は27日夜、600万リットル以上の燃料が入ったタンクにロケット弾が直撃して発生。同国政府は、「別の燃料貯蔵施設でも火災が発生し、非常に危険な状況」だとして、「予測不能な被害を伴う大災害」に発展する恐れを警戒している。

 この燃料貯蔵施設はトリポリの国際空港へつながる道沿いにあり、同市から約10キロ離れている。周辺では今月中旬から、対立する武装勢力間の激しい戦闘が繰り広げられている。消防隊が消火活動に当たっているが、戦闘が続いているため何度も火災現場からの避難を余儀なくされている。

 国営燃料会社の広報担当者は、「消防隊はすでに現場から退避した。制御不能の事態に陥っている」と発表。一方政府は火災現場から半径3キロ圏内の住民に対し、「自宅からの即時避難」を呼び掛けた。同時に政府は声明で武装勢力に対し、「直ちに停戦」するよう改めて訴えた。

 しかし現地で取材に当たっているAFPのカメラマンによるとロケット弾の応酬は続いている。当局は、9000万リットルの天然ガスが貯蔵されている施設に火が燃え移る可能性を危惧している。(c)AFP