【7月24日 AFP】地球に暮らすわれわれの多くは「他の惑星にも生命は存在するのだろうか」という疑問を抱くが、遠くの星で発生した「大気汚染」の痕跡を探すことで、その答えが出るかもしれないとする研究論文が、23日の天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル(Astrophysical Journal)」に掲載された。

 米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)の研究チームが発表した論文によると、ある一定の条件下ではあるものの、天文学者らは今後10年以内に異星人の工業化社会の存在を探知できるようになるかもしれないという。

 天文学者らはすでに、太陽系外惑星の大気中に、知的生命体や微生物が作り出した可能性のある酸素やメタンが存在するかを観測を通じて調べることができる。

 そこで論文は、地球外文明もわれわれが地球上で行っているものとほぼ同じ方法で、クロロフルオロカーボン(CFC)類を大気中に放出している可能性があるとの仮説を立てた。溶剤やエアロゾルに使用される化学物質のCFC類についてはオゾン層を破壊することが知られている。

 天文学者らは、米航空宇宙局(NASA)が2018年に打ち上げを予定している総費用87億ドル(約8800億円)の宇宙望遠鏡プロジェクト、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space TelescopeJWST)を使って、遠方の惑星にこれらCFC類が存在する証拠を発見できるかもしれない。

 NASAによると、JWSTはNASAのハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)の10倍から100倍の性能を持つというが、研究チームは、JWSTで検出できる汚染物質の種類と、その観測を可能にする条件には限界があると指摘する。

 例えば、CFC類の大気中濃度が地球より10倍ほど高くなければ、JWSTでは検出できないと考えられること。また、JWSTによるCFC類観測の対象は、白色矮星を周回している地球に似た惑星に限られることなどがそうだ。白色矮星とは、かつては明るく輝いていたが、現在は水素燃料をすべて使い果たして死んだ星のことを指す。

 論文によると、太陽のような明るい星を周回している地球型の惑星で汚染物質を検出するには、さらに強力な観測機器を開発する必要があるという。

 今回の手法は、知的生命体の探査を目的としている一方で、実在する生命ではなく、すでに自滅した文明に行き着くかもしれないという可能性を論文の執筆者らは指摘している。

 汚染物質が地球の大気中に残存する期間は種類によって異なり、5万年にわたり残るものもあれば、10年ほどで消えるものもある。後者の汚染物質が存在しない場合、稼働している発生源がすべて消失したことを示唆する可能性がある。

 論文の共同執筆者の一人、アビ・ローブ(Avi Loeb)氏は、「異星人が賢くなり、自分たちの行いを改めて発生源を一掃したと推測することもできる。しかしもっと悲観的なシナリオでは、惑星(地球)に対する我々の管理が不十分で、その危険性に対する警告と捉えることもできる」と語った。(c)AFP