【7月24日 AFP】仏「LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ(LVMH)」と米インターネット競売大手イーベイ(eBay)が、偽造品の取り扱いをめぐる長年にわたる訴訟で和解に達したことがこのたび明らかになった。

 詳細については明らかになっていないが、発表された共同声明では「知的所有権の保護およびオンラインでの偽造品販売に反対する取り組み」で合意に至ったとしており、また「両企業は法廷での争いを終えた」との文言も見られた。

「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」や「ジバンシィ(Givenchy)」などを傘下に置くLVMHは、オンラインでの偽造品販売を許可しているとしてイーベイを相手取り訴えを起こしていた。

 フランスの裁判所は2008年、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」や「ディオール」の偽ブランド品、さらには「ゲラン(Guerlain)」、「ジバンシイ」、「ケンゾー(Kenzo)」などの香水の偽造品が同サイトで販売されていたとして、4000万ユーロ(約55億円)の損害賠償をLVMHに支払うようイーベイに命じた。

 この判決を不服としてイーベイは上訴。2010年9月、控訴院は損害賠償570万ユーロ(約7億8000円)の支払いを命じた。

 しかし2012年、仏最高裁に当たる破棄院は控訴院の判決を破棄し審理のやり直しを命じた。イーベイの米国内サイトに対する管轄権が下級審にないことをその理由として挙げた。

 75の仏高級ブランドが加盟するコルベール委員会(Comite Colbert)によると、偽造品の販売による損失は、LVMHグループ全収益の約10%に相当するという。

 インターネット通販の多くは、2009年に発効の偽造品販売に反対する取り決めに署名しているが、イーベイはいまだに署名していない。(c)AFP