【7月23日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)が所有する競走馬が、薬物検査で禁止薬物に陽性反応を示した。バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)が22日、発表した。

 昨年、英国競馬で最も権威の高い、アスコット競馬場(Ascot Racecourse)でのゴールドカップ(Gold Cup 2013、G1、芝約4023メートル)で優勝したエスティメート(Estimate)から、禁止薬物のモルヒネの陽性反応が出た。

 エリザベス女王の競馬顧問が発表した声明によると、「汚染された飼料を摂取」したことが原因という。

 幼少期からつづく競馬に対する愛情と知識をよく知られているエリザベス女王は、現在5歳牝馬のエスティメートが昨年のゴールドカップで優勝した際に声援を送っていた。

 女王の競馬顧問を務めるジョン・ウォーレン(John Warren)氏は、「7月17日に英国競馬統括機構(British Horseracing AuthorityBHA)は、最近のレース後のサンプルからレース当日の禁止薬物であるモルヒネが検出されたと発表した」と声明の中で述べた。

「さまざまな調教師から世話を受けている5頭に影響が出ている。そのうちの1頭が、女王が所有し、マイケル・スタウト(Michael Stoute)氏の調教を受けている5歳の牝馬エスティメートだったと確認されている」

「陽性反応は、汚染された飼料を摂取したことに起因する。スタウト氏は、厩舎に飼料が運ばれる前にどのように汚染されたのかを確認するため、飼料会社と緊密に連携している」

「このことは女王陛下のお耳にも入っている」

 エスティメートの優勝により、エリザベス女王は在位中の君主として初めてゴールドカップを制覇した馬のオーナーとなった。

 現在の英国競馬の規則上では、エスティメートが昨年のゴールドカップの優勝を剥奪されることはないが、今年のゴールドカップ(Gold Cup 2014)での2着の結果は、違反行為があったと判断されれば剥奪される可能性もある。(c)AFP