【7月22日 AFP】ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力は22日、親ロシア派掌握地域に墜落したマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH17便の乗客乗員約280人の遺体を運ぶ列車の出発を許可した。

 出発許可が出るまで墜落から5日を要した。遺体は22日中に列車で親ロシア派の影響が及んでいないウクライナのハリコフ(Kharkiv)に運ばれ、そこから空路で出発国のオランダに送られる。墜落機はオランダからマレーシアのクアラルンプール(Kuala Lumpur )に向けて飛行中に撃墜されたとみられている。オランダは最も多い193人の犠牲者を出した。

 マレーシア機撃墜をめぐっては、武装勢力の行動を抑えきれなかったロシア政府に非難が集中している。国連安保理(UN Security Council)が採択した撃墜を非難し、墜落現場へのアクセスを求める決議にはロシアも賛成した。

■怒り募らせる遺族

 遺族たちの事故直後の悲しみは今、怒りに転じている。オランダ検察当局はマレーシア機撃墜について刑事事件として捜査を開始したことを明らかにした。

 17歳の娘を失った男性は、オランダの報道機関に怒りの公開書簡を送った。「プーチン大統領、武装勢力指導者ならびにウクライナ政府の皆様、私の大切な一人娘を殺したことに感謝申し上げます。まだ若い彼女の命を破壊し、さぞかし誇らしく思われていることでしょう。自分の顔を鏡でご覧になるといい」

 オランダのウィレム・アレクサンダー(Willem-Alexander)国王は遺族らと面会した後、今回の出来事はオランダ社会に深い傷を残したと述べた。(c)AFP/Marion Thibaut with Stephane Orjollet in Donetsk