【7月16日 AFP】ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5か国「BRICS」の首脳会議(サミット)が15日、ブラジル北東部フォルタレーザ(Fortaleza)で始まり、中国・上海(Shanghai)に本部を置く新開発銀行と外貨準備基金の設立で合意した。欧米主導のシステムの代替機関を設けることが狙いで、BRICS各国の首脳らはこの2機関の創設により、インフラ事業への融資や将来の経済危機の抑制につなげたいとしている。

 ブラジルのジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領はサミットで「BRICSは、銀行と外貨準備基金を設立するという歴史的決断に至った。国際経済の統治システムを再構築するための重要な貢献だ」と述べた。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も「経済の新たな窮状を防ぐための非常に強力な措置」だとして、この決定を歓迎した。

 BRICSは昨年初めてこの計画を発表した。「新開発銀行(New Development Bank)」は米ワシントンD.C.(Washington D.C.)にある世界銀行(World Bank)に匹敵する機関を、また外貨準備基金は国際通貨基金(International Monetary FundIMF)の小規模版の役割を果たす機関となることを、それぞれ目指している。

 新開発銀行の当初の資本金は500億ドル(約5兆円)。BRICS加盟5か国が平等に出資し、最終的には1000億ドル(約10兆円)まで増資していく計画。またサミットでは、本部を上海に置くこと、初代総裁をインドから起用することでも合意した。(c)AFP/Laurent THOMET