【7月10日 AFP】サッカーアルゼンチン代表のGKセルヒオ・ロメロ(Sergio Romero)は、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)準決勝オランダ戦のPK戦で2本のキックを止め、チームを決勝進出に導いた。ここでは、そのロメロに関する5つの事実を紹介する。

■モナコでは控え

 27歳のロメロは2013-14シーズン、イタリア・セリエAのサンプドリア(Sampdoria)からフランス・リーグ1のASモナコ(AS Monaco)へ期限付きで移籍したが、起用されるのは重要度の低いカップ戦ばかりだった。シーズンの大半でベンチを温めたロメロは、モナコではわずか9試合出場と、プレー時間が極めて少ないままブラジルへやって来た。

■PKストップのコツを教えたのはオランダのファン・ハール監督

 何の運命のいたずらか、ロメロにPKの止め方を教えたのは現オランダ代表指揮官のルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督だった。両者は同じ時期、オランダ・エールディビジのAZアルクマール(AZ Alkmaar)に監督と選手として在籍していた。

 ファン・ハール監督は、オランダのロン・フラール(Ron Vlaar)とウェズレイ・スナイデル(Wesley Sneijder)が、ロメロにPKを止められて敗れた試合後、「ロメロにはPKの止め方を教えた。それだけに堪えるね」と冗談めかしてコメントした。

■代表での輝き

 「チキート(Chiquito、小さいの意)」のあだ名で知られるロメロは、クラブでの不遇とは対照的に、アルゼンチン代表で輝きを放ってきた。

 2009年からフル代表の正守護神に定着したロメロは、2007年にはU-20W杯カナダ大会で優勝し、2008年の北京五輪では、世界最優秀選手を4度受賞するリオネル・メッシ(Lionel Messi)とともに、金メダルを獲得した。ロメロとメッシは今では親友となっている。

■サベジャ監督からの信頼

 アルゼンチンは2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で、ドイツに0-4で惨敗したが、ロメロは大量失点の雪崩を生き延びた。その後に就任したアレハンドロ・サベジャ(Alejandro Sabella)監督はロメロにこだわり続け、今のところ、その判断は賢明だったことが証明されている。

 オランダ戦ではマンオブザマッチに選出されたロメロだが、クライマックスとなる決勝への道のりで、ゴールポストの間に立つ彼の安定感がアルゼンチンを救ったことは、1度では済まない。ロメロは同国代表のGKとしては史上わずか2人目となる、50試合出場を達成している。

■ピッチを離れればシャイな男

 ロメロは自分のことを「内気で控えめな性格」だと語っている。ツイッター(Twitter)では、ブラジル大会関連のつぶやきがツイート数の新記録を作っているが、ロメロはフェイスブック(Facebook)等のソーシャルメディアサイトの使用を拒んでいる。(c)AFP