【7月10日 AFP】9日に行われたサッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)準決勝で、アルゼンチンのリオネル・メッシ(Lionel Messi)は、オランダの強固な守備の壁に最後まで阻まれ続けたが、チームはPK戦の末に決勝へ進み、小さな天才はディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏に並ぶ機会を得ている。

 サンパウロ(Sao Paolo)で行われた準決勝は、オランダが組織立った守備を見せたことで最後まで均衡が破れず、決着はPK戦に持ち込まれたが、アルゼンチンがこれを4-2で制し、ドイツとマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)で戦う13日の決勝へ駒を進めた。

 アルゼンチンの1人目のキッカーを務めたメッシは自信を持ってPKを成功させたが、試合の中ではほとんどいいところがなく、後半15分過ぎまでは、オランダのナイジェル・デ・ヨング(Nigel de Jong)のうんざりするようなマンマークに遭った。

 仮にメッシがマラドーナ氏に肩を並べ、主将として母国をW杯制覇に導けば、今大会はメッシの大会として記憶されることになるだろう。ライバル国ブラジルでの戴冠となれば、満足はいっそう大きい。

 しかし、この試合はメッシのための準決勝ではなく、アレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)の夜は退屈で寒々しかった。

 グループリーグでのメッシは、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦、イラン戦、ナイジェリア戦すべてで試合を決定づけるプレーを披露し、アレハンドロ・サベジャ(Alejandro Sabella)監督率いるチームを16強に導く活躍を見せた。

 スイスと対戦した決勝トーナメント1回戦でも、PK戦がちらつく延長戦終了間際、メッシはドリブル突破からアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)の決勝点をアシストし、ベルギーとの準々決勝でも、ゴンサロ・イグアイン(Gonzalo Higuain)の得点の起点になった。

 しかし準決勝では、ルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督の抜け目ない戦術がメッシの怖さを消し去り、試合はW杯の準決勝では史上初となる0-0のままPK戦に突入した。