【7月9日 AFP】(一部更新、写真追加)9日に投開票が行われたインドネシア大統領選で、開票速報により優勢が伝えられた闘争民主党(PDIP)のジョコ・ウィドド(Joko Widodo)・ジャカルタ(Jakarta)州知事(53)が勝利を宣言したのに続き、一騎打ちとなっていた対立候補の元軍幹部プラボウォ・スビアント(Prabowo Subianto)氏(62)も勝利宣言した。

 民間調査機関が出す非公式の開票速報によると、ジョコ氏の得票率は53%で、プラボウォ氏の47%を僅差で上回った。

 これを受けてジョコ氏は勝利を宣言したが、その直後、プラボウォ氏は自身の陣営が利用する調査機関によれば、自身が「インドネシア国民から支持と委任を与えられた」と述べ、勝利宣言した。

 今回の選挙戦は、経歴や政治手法が全く異なる両候補の間で支持が二分され、世界の民主主義国家の中で第3位の人口を持つ同国で行われた大統領選としては、1998年のスハルト(Suharto)政権崩壊以降、最も激しい戦いとなった。

「ジョコウィ」の愛称で知られるジョコ氏は、政治家に転身する以前は家具輸出業を営んでおり、独裁政権と無関係の人物としては初の有力大統領候補となった。当選すれば、全く新たなスタイルの指導力を発揮し、民主主義体制を強固なものにすると見込まれている。

 一方、スハルト氏の元娘婿で、同氏の独裁政権下で民主活動家の拉致を命じたことを認めているプラボウォ氏は、強力なリーダーシップを持つ指導者を求める多くの国民から高い支持を得たが、当選すればインドネシアを再び独裁体制へと後退させるかもしれないとの懸念も出ていた。

 正式な投票結果が発表されるのはおよそ2週間後とされている。(c)AFP/Sam Reeves