英TV番組で発掘のヴァン・ダイク作品、競売で買い手つかず
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【7月9日 AFP】英国のテレビ番組で発見された巨匠アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)の失われていた絵画が8日、競売に掛けられた。事前の予想では、元の値段の1000倍で落札されるとみられていたが、結局買い手が付かなかった。
競売大手クリスティーズ(Christie's)は、1635年の作品「The Magistrates Of Brussels」のためのスケッチについて、30万ポンド(約5200万円)~50万ポンド(約8700万円)で落札されると予想していた。
この絵画はもともと、カトリック教会の司祭ジェイミー・マクロード(Jamie MacLeod)氏がイングランド(England)北部チェシャー(Cheshire)州の骨董品店から400ポンド(約7万円)で購入したものだ。
この絵画は昨年、専門家が骨董品を鑑定するテレビ番組で本物であることが明かされた。番組司会者は絵を見て本物だと思ったと話している。
クリスティーズによると、スケッチは重ね塗りが主な原因で不透明になっていたことから、ヴァン・ダイク研究者から見逃されていた。
同作品は、長期にわたる修復作業が施された後、ヴァン・ダイクの世界的権威クリストファー・ブラウン(Christopher Brown)氏により本物と発表された。
ヴァン・ダイクは現在のベルギーで生まれ、1632年にイングランド王チャールズ1世(King Charles I)の招きでイングランドに渡り、宮廷画家として働いた。
同日のオークションでは、フランチェスコ・グアルディ(Francesco Guardi)の作品が1700万ドル(約17億円)で落札された他、ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)の「聖プラクセディス(Saint Praxedis)」も1070万ドル(約10億円)で落札されている。(c)AFP