【7月8日 AFP】台湾北部でレース用のハトを「誘拐」し「身代金」を要求する犯罪を繰り返していた5人組が逮捕された。

 8日の台北(Taipei)市警の発表によると、台湾北部で逮捕された5人には、レースのコースにわなを仕掛けてハトを捕獲しては飼い主に対し、1羽につき最高1万台湾ドル(約3万4000円)を要求していた疑いが持たれている。5人は逮捕された際、台北郊外の沿岸の山間部で、網やかご、小石などを飛ばす「ぱちんこ」などを使ってわなを仕掛けようとしていたとみられる。5人が実際に「身代金」として手に入れた金額は明らかになっていないが、警察はこれまでに数十羽のハトがこのグループに誘拐されたとみている。

 台湾ではハトのレースは人気があり、3万を超える繁殖業者が毎年約200万羽のハトをレースに参加させているが「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of AnimalsPETA)」によれば、うち150万羽が死んでいる。またハトのレースは、違法ギャンブルやゆすり、八百長といった犯罪とも結び付いているという。

 PETAは台湾で5か月をかけてハト・レースに関する調査を行った結果、ハトは遠い沖合まで連れて行かれて放たれ、数百キロを飛んで飼い主の元へ戻らなければならず、またけがをしても治療されず、悪天候などでも体を休めることができないなど「命にかかわる」レースであることが多いという。(c)AFP