【7月8日 AFP】パレスチナ人少年殺害の容疑者として逮捕されたユダヤ人過激派6人のうち、3人が犯行を認めたと、イスラエル側の当局者が7日明らかにした。この残虐な殺人事件がもたらした衝撃の波紋は広がり続けている。

 この事件をきっかけに、イスラエルが実効支配している東エルサレム(East Jerusalem)とイスラエル国内のアラブ人居住区で暴力的な衝突が発生。警察は5日たっても衝突を止められずにいる。またイスラエルによる空爆が続くガザ地区(Gaza Strip)では、パレスチナの武装勢力側に複数の死者が出ており、緊張は高まる一方となっている。

 発端は先月12日、イスラエル人少年3人が誘拐・殺害され、同月30日になって遺体で発見された事件。イスラエル側はヨルダン川西岸(West Bank)で容疑者の大規模捜索を行った。

 3人の遺体が見つかってから2日後の今月2日、パレスチナ人少年(16)が東エルサレムで誘拐・殺害された。イスラエル人少年3人の事件の報復とみられ、警察はこれに関連し未成年者3人を含むユダヤ人過激派6人を逮捕した。

 捜査に近い当局者がAFPに明かしたところによると、6人に対する取り調べの中で、これまでに3人が同少年に生きたまま火をつけて殺害したことを認めたという。

 この殺人事件は衝撃と強い怒りを招き、イスラエル側からも極めて遺憾とする声が上がっている。今月退任するシモン・ペレス(Shimon Peres)大統領は「年若い少年を連れ去り、殺し、焼くとは―いったい何のために?」と嘆いた。

 ペレス大統領とベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は亡くなった少年の父親に電話をかけ、弔意を伝えるとともに犯行に対する強い怒りを表明したという。(c)AFP/Shatha YAISH