【7月7日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)で、世界最大のショッピングモールや屋内公園、ホテル、保養地、劇場などを備えた「気候制御都市」の建設が計画されている。

 世界最大級の屋内商業複合施設の一つ「ドバイモール(Dubai Mall)」をすでに有し、壮大なプロジェクトを好むことで知られるドバイは現在、「モール・オブ・ザ・ワールド(Mall of the World)」の建設計画を進めているという。

 開発を担当するのは、ドバイのムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid Al-Maktoum)首長が所有する政府系持ち株会社「ドバイ・ホールディング(Dubai Holding)」。同社によると、この総合施設は全域が歩行者専用で、総敷地面積は445万平方メートルにもなる。

 また、施設内には冬季に開放できるガラス製ドームに覆われた「世界最大の屋内テーマパークが含まれる予定」だという。

 各施設を連結する全長7キロの遊歩道にも、夏季には覆いを付けて空調を行う予定だと同社は付け加えた。

 マクトム首相は「われわれは、季節限定の観光事業を超える目標を持っている。観光事業はわれわれの経済を推進するための重要な要素であり、われわれは一年を通してUAEを魅力的な目的地にすることを目標に掲げている」と語る。「夏季に気温を制御した快適な環境を提供する取り組みに着手するのは、このためだ」

 5日夜に発表された声明では、建設の開始時期やプロジェクトの費用総額については明らかにされていない。

 ドバイは、モール・オブ・ザ・ワールドが年間1億8000万人以上の来場者を集めることができると見込んでいる。

 ドバイは、航空輸送と中継ぎ貿易の世界的拠点として、さらには地域の金融中心地としての地位を確立してきた。

 昨年11月には、ブラジル、ロシア、トルコの競合国を破り、2020年万博(World Expo 2020)の開催権を獲得。

 ドバイ経済は2009年、世界金融危機のあおりを受けたが、それ以降は貿易、輸送、観光部門の成長のおかげで順調な回復をみせている。(c)AFP