【7月7日 AFP】オセアニア歴訪を開始した安倍晋三(Shinzo Abe)首相は7日、最初の訪問国ニュージーランドでジョン・キー(John Key)首相と会談した。キー首相によると会談では日本の捕鯨問題が議題の中心となり、互いの見解が異なることを確認したという。

 ニュージーランドは豪州と共に、日本が南極海(Southern Ocean)で行っている調査捕鯨は国際捕鯨取締条約違反だとして国際司法裁判所(International Court of JusticeICJ)に提訴。ICJは3月、日本の調査捕鯨は商業捕鯨に相当するとみなして停止を命じた。しかし、安倍首相はその後、捕鯨再開への意欲を示している。

 キー首相は会談後、報道陣に対し、安倍首相が捕鯨再開を検討していると認めたことを明かすとともに、捕鯨禁止を求めるニュージーランドの立場を改めて強調した。

 キー首相によると「安倍首相は、日本が理論上どのような捕鯨の形であれば規則に則って実施できるのかを検討していることを明言した」という。

「安倍首相は非常にはっきりと、日本はICJの判決に従うと述べた。だが、そこには見解の相違があると言っていいだろう。ニュージーランドは、もちろん捕鯨が完全に停止されることを望んでいる」(キー首相)

 一方でキー首相は、この問題が日本とニュージーランドとの関係を損ねることはないとも指摘し、捕鯨再開を目指す日本の動向を注意深く見守っていくと語った。

 キー首相は会談に先立ってニュージーランドの民間ラジオ局に、日本が捕鯨を再開するならば「非常に失望する」と述べている。(c)AFP