【7月3日 AFP】(一部訂正)米国に拠点を置く日本人研究者が2日、H1N1型インフルエンザ(別名:豚インフルエンザ)ウイルスを改変し、ヒトの免疫系を回避できる変異株の開発に成功したことを明らかにした。

 同研究を行っていたのは、米ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)のウイルス学者、河岡義裕(Yoshihiro Kawaoka)教授。研究結果は論文としてはまだ発表されていないが、英紙インディペンデント(Independent)がこの研究について1日に報じている。

 河岡教授の研究について同紙は、危険なインフルエンザウイルスの作製を目的とする「議論を呼ぶもの」と断じ、「(研究を)知る一部の科学者らは恐怖を感じている」と指摘している。

 河岡教授はAFPへ宛てた電子メールで、「適切な管理下に置かれた研究室で、免疫を回避するウイルスを選別することにより、2009年(に流行した)H1N1ウイルスが免疫系を回避することを可能にする重要な領域を特定することができた」と説明した。

 一方で、インディペンデント紙の報道については「扇情的」と批判。研究の目的が、自然界でウイルスがどのように変異するかを調べ、より優れたワクチンの開発につなげることにあると反論した。また世界保健機関(World Health OrganizationWHO)にも研究について報告を行っており、好意的な反応が得られていると主張した。

 2011年と12年には、オランダと米国の異なる研究チームが、H5N1型鳥インフルエンザの感染力を高めた変異株の開発に成功したと発表し、激しい議論が勃発。ウイルスがテロリストに悪用されたり、誤って研究室から流出したりする恐れがあるとの懸念を呼んだ。(c)AFP