【7月2日 AFP】先月末からイスラム教のラマダン(断食月)が始まったことを受け、中国の複数の政府機関が相次いで、少数派のイスラム教徒が住民の大半を占める西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の公務員と学生、教師に対し、断食を禁止すると通告している。各機関のホームページに掲載された通告文を受け、国外にいる亡命者団体などからは非難の声が上がっている。

 中国共産党は公式には無宗教の立場を取っており、長年にわたって同自治区でのラマダンの断食を規制してきた。ラマダンの期間中、イスラム教徒は信仰心を高めるため、日の出から日没まで飲食を断つ。

 同自治区のトルファン(Turfan)地区の商務当局は先月30日、ウェブサイト上に「公務員と学生は、断食その他の宗教活動に参加してはならない」との通告文を掲載。

 一方、安徽(Anhui)省亳州(Bozhou)市にある広播電視大学亳州分校(Bozhou Radio and TV University)もホームページ上で、「共産党員と教師、若者らを対象に、ラマダン中の断食を禁じる」と通知した。

 新疆ウイグル自治区西部の和田(ホータン、Hotan)地区、墨玉(モーユー、Qaraqash)県の気象当局も同様に、「上位からの指示に従い、退職した者を含めた職員に対しラマダンに断食しないよう求める」と掲載している。(c)AFP