【6月29日 AFP】イラク政府は29日、ロシアから購入したスホイ25(Su-25)攻撃機の第1陣を受領したと発表した。ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)首相は26日、12機以上のスホイ25をロシアから購入すると発表していた。購入金額は5億ドル(約510億円)に上る可能性がある。

 2006年に処刑されたサダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領時代のイラク空軍はスホイ25を保有していた。あるイラク政府当局者は、当時のパイロットが今回購入した攻撃機を操縦するだろうと語った。

 イラク軍は29日も、「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the LevantISIL)」が主導するイスラム教スンニ(Sunni)派武装勢力に制圧されたティクリート(Tikrit)の奪還に向けて大規模な攻勢を掛けている。対地攻撃機として設計されているスホイ25は速やかに戦闘に投入されるとみられる。

 マリキ首相の報道官によると、武装勢力が進撃を始めた今月9日以降、数百人のイラク兵が死亡した。国連(UN )は、全体で1000人以上が死亡し、その大半は民間人だとしている。

 複数の国際団体は、イラクでは今年に入って120万人が戦闘で家を追われているとして、人道的支援を届けるための回廊を設定するよう求めている。(c)AFP/Prashant RAO