【6月29日 AFP】カナダ・モントリオール(Montreal)の仏語日刊紙ラ・プレッセ(La Presse)は27日、秘密文書を引用して、外国の外交官ら50人余りが同国に亡命を申請したと伝えた。

 それによると、2009年から今年までの亡命申請者は、38人がアフガニスタンの公使とその家族、16人がシリアとイラク、ギリシャ、ホンジュラスの外交官だった。米国大使館の職員も1人いたという。

 元カナダ外務省領事部長のガー・パーディ(Gar Pardy)氏は同紙に対し、亡命を申請した外国当局者が「前例のない人数」に上っているとコメントした。

 複数の専門家らは外交官の亡命申請について、より良い生活への期待や、自国の人権侵害を容認できないと思うようになったことが動機だとしつつ、単に北米の生活スタイルに慣れたため、任期が終わった後も帰国を希望しない場合もあると指摘している。

 出入国管理当局のアレクシス・パブリック(Alexis Pavlich)報道官は、カナダが「世界有数の公正かつ寛容な亡命認定制度」を設けていると述べる一方、個人情報が法律で厳しく保護されているとの理由から具体的な事例には言及しなかった。

 ただし同報道官は、外交官がカナダで亡命を申請した場合、外交特権は外務省によって無効化され、他の申請者と同じ審査を受けることになると付け加えた。(c)AFP