【6月28日 AFP】昨年、スイス製の腕時計をかたり押収・処分された模倣品の数が、世界で合計100万本に上ることが分かった。スイスの時計産業の業界団体、スイス時計協会(Swiss Watch Industry FederationFHS)が26日に発表した。

 同協会のジーン・ダニエル・パッシュ(Jean-Daniel Pasche)会長はAFPの取材に対し、地元当局や世界各地の弁護士・探偵などと協力しながら、模倣品の取り締まりに力を入れていると説明。「模倣品の大半は中国で生産されているが、旅行者が訪れる場所であれば、おおむね世界各地で目にすることができる」と述べ、押収された模倣品の大半はアジア、とりわけ中国製だが、その他にもイタリアやトルコといった欧州地域や南米でも製造されていると指摘した。

 スイスの時計業界は模倣品によって毎年約8億フラン(約910億円)の損失を受けているという。同氏は、高級腕時計の模倣品を見つけ出して処分することは重要だと説明し、FHSは昨年、インターネット上でオークションにかけられた偽のスイス製腕時計約28万本の取引を中止させ、複数の取引拠点を解体に追い込んだと話した。(c)AFP