【6月30日 AFP】フランスのセゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)エコロジー・持続的開発・エネルギー相は今月、同国で待ち望まれてきた原子力エネルギーと化石燃料への依存低下を目指す法案を内閣に提出した。

 社会党政権の主要政策の一つであるこの課題をめぐり、企業、非政府組織(NGO)、議員、組合は過去9か月間にわたり議論を重ねてきた。同法案では、より環境配慮型の国を目指し、エネルギー予算削減を目標として掲げている。

 閣議後の記者会見でロワイヤル氏は、同法案について「新技術やクリーンな交通手段の開発、エネルギー効率の向上につながり、ひいては企業の競争力強化にも寄与する好機をもたらす」可能性を秘めていると述べた。

 同法案では、フランソワ・オランド(Francois Hollande)氏が大統領に就任した2012年に比較して、2030年までに化石燃料の使用を30%削減し、また2050年までに同国の総エネルギー消費量を半減させるとしている。

 さらにオランド氏の選挙公約の一つだった、電気エネルギーにおける原発依存度を現在の75%から50%にまで引き下げ、再生可能エネルギーの割合を増やすことも視野に入れている。

 この法案ではまた、建物の改装・改築でのエネルギー効率を上げる努力の義務付けや、今後15年間に電気自動車の充電スタンドを700万か所設置するといった項目も含まれている。

 識者らの試算によると、いわゆる「エネルギー転換」が完了するまで毎年150億~300億ユーロ(約2~4兆円)の投資が必要になるという。

 内閣に提出された公式声明には、この投資が、経済成長と環境保護を両立させる「グリーン成長」と雇用創出を加速させるための強力なてこ入れとなると記されている。ロワイヤル氏も記者団に対し、エネルギー部門で10万件の雇用創出を目指していると意欲を示した。(c)AFP