【6月25日 AFP】サッカーイラン代表のカルロス・ケイロス(Carlos Queiroz)監督が、今後のW杯では判定ミスによって帰国を強いられるチームが出ないよう、試合を進行する審判団がリプレー映像を確認することを認めるべきだと国際サッカー連盟(FIFA)に訴えた。

 25日にサルバドール(Salvador)でボスニア・ヘルツェゴビナと対戦するグループFのイランだが、決勝トーナメントに進出するためにはボスニア・ヘルツェゴビナ戦で勝利した上で、ナイジェリアがアルゼンチンに勝たないことを期待する必要がある。

 今大会では、ケイロス監督の率いるイランとサフェト・スシッチ(Safet Susic)監督が指揮を執るボスニア・ヘルツェゴビナの両方が、リプレー映像を見る限り、審判団の判定ミスの犠牲となっている。そのため両監督はFIFAに対し、審判を助けるよう求めている。

 判定を巡っては、すでにゴールライン・テクノロジーがブラジル大会では採用されているが、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)で助監督を務めた経験もあるケイロス監督は、リプレーを次なる一歩にすべきだと主張した。

 イランは21日のアルゼンチン戦で、アシュカン・デヤガ(Ashkan Dejagah)がアルゼンチンのDFパブロ・サバレタ(Pablo Zabaleta)に倒されたが、ミロラド・マジッチ(Milorad Mazic)主審はPKを取らず、結局リオネル・メッシ(Lionel Messi)の終了間際の得点で0-1の敗戦を喫した。

 一方、ボスニア・ヘルツェゴビナも怒りが収まっていない。22日のナイジェリア戦で、ボスニア・ヘルツェゴビナはエディン・ジェコ(Edin Dzeko)が序盤にゴールネットを揺らしたが、副審のオフサイドの旗が上がり、得点は認められなかった。しかし映像を見ると、ジェコは間違いなくオンサイドだった。

 さらにボスニア・ヘルツェゴビナは、ニュージーランドのピーター・オレアリー(Peter O’Leary)主審について、ナイジェリアのピーター・オデムウィンギ(Peter Odemwingie)が決勝点を決めた前半29分の場面でも、得点の前にチーム主将のエミル・スパヒッチ(Emir Spahic)に対するファウルがあったのを見逃したと主張している。

 コロンビア出身の副審、ウンベルト・クラビホ(Humberto Clavijo)氏は、グループAのメキシコ対カメルーンの試合で、メキシコが1-0で勝利はしたものの、判定ミスにより同国のゴールを2つオフサイドで取り消しており、その後、W杯の審判団から外れることが決まった。

 またブラジルが3-1で勝利したクロアチアとの大会開幕戦では、西村雄一(Yuichi Nishimura)主審が、微妙な判定のPKをブラジルに与え、大きな批判を浴びた。(c)AFP