【6月23日 AFP】米衣料品メーカー、アメリカンアパレル(American Apparel)が19日、創業者で最高経営責任者 (CEO) のダブ・チャーニー(Dov Charney)氏を「職権乱用の疑い」により解任すると発表した。現在は停職処分となっており、30日以内に最終的な判断が下されるという。

 同氏は過去にも下着姿で自社工場を歩き回っている様子などが目撃されている。今回の解任の原因は複数の従業員に対するセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)だという。

 チャーニー氏解任を受け、デビッド・ダンジガー(David Danziger)氏とともに取締役会共同会長に任命されたアラン・メイヤー(Allan Mayer)氏は公式声明で「今回の件(チャーニー氏解任)は決して喜ばしいことはないが、取締役会は正しい判断をしたと考える。チャーニー氏はアメリカンアパレルを創業した人物だ。しかし会社はいかなる個人もはるかに超えて成長しており、今後も素晴らしい展開が待ち受けていると私たちは確信している」と述べた。

 CEOの役職は、テキスタイル業界のベテランとして知られるジョン・ルトレル(John Luttrell)最高財務責任者(CFO)が一時的に兼任する。

 解任されたチャーニー氏は、1989年にカナダのモントリオール(Montreal)で「アメリカンアパレル」を創業。その後米国ロサンゼルス(Los Angeles)に本社を移した。「スウェットショップ・フリー(劣悪な労働環境の工場で作らない)、メイドインUSA」を掲げ、現在もほとんどの商品をカリフォルニアの工場で製造している。

 同社は現在20か国で249店舗を展開し、従業員数は約1万人に上るが、財政状況は厳しい。昨年は6億3300万ドル(約645億円)の売り上げに対し赤字が1億600万ドル(約108億円)となり、2012年の3700万ドル(約38億円)、2011年の3900万ドル(約40億円)の赤字を大幅に上回った。(c)AFP