【6月21日 AFP】ニュージーランドに拠点を置く写真家のトレイ・ラトクリフ(Trey Ratcliff)さんは、中国・北京(Beijing)にある紫禁城(Forbidden City)の無人機を使った空撮計画を練っていた──しかし同国指導部の「極秘施設」が隣接しているとの理由から、この計画はあえなく頓挫してしまったという。

 ラトクリフさんは、警察当局の介入があったことを自身のホームページで明らかにし、このなかで短時間ながら拘束されたことにも触れている。


 紫禁城は、中国共産党最高指導部の要人らの住居や会議施設がある中南海(Zhongnanhai)のすぐ横にある。中南海には厳重な警備体制が敷かれ、一般には公開されていない。

 ラトクリフさんに付いていた現地のアシスタントは、最も警備が厳しい建物のそばでラトクリフさんが無人機を飛ばそうとしているとして、一切の手助けを拒否していたという。

 自身のホームページ「http://www.stuckincustoms.com」への19日の投稿によると、ラトクリフさんが紫禁城上空に無人機を飛ばそうと準備をしていると、不穏な面持ちの警察官が近寄ってきて、「くどくどと小言を並べ立てた」という。

 ラトクリフさんは「当局の施設」へと連れていかれ、北京中心部では空撮機器を飛ばさないよう念を押されたとしている。ただ、その間に数人の警察官らと「少しだけ仲良くなれた」としながら、「こんにちは、感じの良かった中国の軍事警察の皆さん!名前は忘れましたが、私にも機材にも悪さをしないでくれてありがとう」と記している。

 ラトクリフさんのサイトには、中国中央テレビ(CCTV)の本社や明朝の陵墓といった北京の著名建造物の空撮写真が多数掲載されている。(c)AFP