【6月19日 AFP】ブラジルと11時間の時差がある中国で、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の試合中継を夜通し観戦したいサッカーファン向けに、病院の診断証明書を偽造する有料サービスが盛況だ。

 AFPが19日、中国のインターネット検索大手「百度(Baidu)」で「北京」と「診断証明書サービス」のキーワードで検索をかけたところ、約4万9500件の検索結果がヒット。「商品一覧」に医療機関の証明印や医師の署名が入った診断証明書の実例を掲載している業者が多数あった。

 国営紙・北京青年報(Beijing Youth Daily)によると、中国最大のネットオークション・ショッピングサイト「淘宝(タオバオ、Taobao)」では、偽造証明書の出品がここ数日で急増したため「W杯」「病欠証明書」のキーワードでは検索結果が表示されないようにしたという。

 だが、マイクロブログの「新浪微博(Sina Weibo)」をはじめとするソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上では現在も、偽造証明書ビジネスが展開されている。

 病欠を「予定」しているサービス利用者は、業者の提供する病名リストから希望の病欠理由を選ぶ。発熱や骨折といった一般的な症状から、中絶や、2003年に中国で流行し多数の死者を出した重症急性呼吸器症候群(SARSSevere Acute Respiratory Syndrome)まで、選べる理由は実にさまざまだ。

 ある業者は「誠実経営が信条。ご注文の秘密は厳守します」などとうたっている。

 北京青年報によると、こうした偽造証明書は学生に人気のSNSではたいてい1枚20元(約330円)で販売されている。1日に30枚は売りさばくという業者は、証拠として納品書の束の写真を投稿しているという。(c)AFP